~比較的丈夫で育てやすい品種のご紹介~
投稿:舩生好幸(Primary-f代表、ネットショップ向実庵店主)2022.8.12
数えてみますと、私のところで育てたハイビスカスの品種は17種類ほどになりました。
心配したけど意外と大丈夫だったり、思わぬところで苦労したりと、ハイビスカスの栽培は品種によって注意する点に違いが大きい、そんな印象があります。
そこで今回は、私の実体験をふまえて、ハイビスカスははじめて、という方でも育てやすく、鑑賞も楽しい品種をご紹介します。
〇サマーレッド
多くの方が最初に欲しいハイビスカスは、赤い花の品種ではないかと思います。

*特徴・ポイント
サマーレッドは濃くて深みのある赤い花色の、ハイビスカスの代表的品種の一つ。南国の雰囲気一杯で大変魅力的です。コンディション良好なら直径11~13㎠程の大き目の花が咲きます。
ハイビスカスの中では丈夫で育てやすい品種で、最初の一鉢としてお勧めです。
花に気を取られて見落としがちですが、葉の形や、艶やかで濃い緑色にも魅力があり、観葉植物として見てもなかなかに立派です。
*生態など
この品種は枝は太め、葉が厚手で大きめ、そして多少の暑さ寒さには耐えてくれる安心度の高めな品種です。
日当たりのよい、暖かな窓際に置けば、冬の時期でも花が見られると思います。
葉がしっかりしているため、アブラムシなども付きにくい方だと思います。
また、特に株が小さいうちは水の要求量が少なめです。葉が厚手でしっかりしているせいで水分の蒸発が少ない模様です。そのため、水のあげすぎに注意した方が良いです。
魅力や長所の多い品種ですが、最新の品種に比べると咲かせる花の数は若干少なめで、開花のインターバルが長くなる傾向があるようです。
いつもこの花が見たい方は複数の株を購入する、挿し木などで増やすとよいと思います。
〇フレミングウィンド
「サマーブリーズ」という多数の花色が揃うハイビスカス品種シリーズの一つの赤い花です。

*特徴・ポイント
サマーレッドに比較すると、花のサイズ・カタチや雰囲気はすこしライトな印象で、コンディションがよい花の直径は8~11cmくらい。名前の由来と思われる「燃え立つような」(flaming)鮮やかな赤とフリルのついた花が咲きます。
サマーレッドよりも開花は多めですので、赤い花がたくさん見たい、たくさん咲かせたい、というご希望に適していると思います。
私の購入理由も、サマーレッドの開花のインターバルが長かったことから、もう一鉢赤い花が欲しくなったためでした。
*生態など
サマーレッドと比較して枝は細め、葉も小さめで華奢な印象ですが、サマーレッドと同じくらい丈夫で、暑さ寒さには相当に強い品種であると思います。
ただ、新芽は柔らかく、アブラムシなどに狙われやすいので、防除に注意した方がよろしいです。
日当たりのよい、暖かな窓際に置けば、冬の時期でも花が見られます。
〇サニーウィンド
赤い花の次は、ピンクや黄色の品種が欲しくなる方も多いと思います。
そんなご希望にこたえる黄色い品種の一つがこのサニーウィンドであろうと思います。

*特徴・ポイント
サニーウィンドも「サマーブリーズ」シリーズの一つ。ヒマワリのような鮮やかな黄色い花です。
コンディション良好なら、サマーレッドよりも少し大きい、直径12~14cm程の花が咲きます。
また、サマーレッド同様、艶やかで厚みのある、丸い感じの葉は観葉植物としても相当に立派だと思います。
*生態など
枝は太目で葉も大き目、丈夫で成長も早い方です。
春には5号鉢に収まる位、草丈20~30cm程度の小さ目の鉢植えでも、コンディションがよいと1年もたたずに高さ1m超くらいまで伸びます。
サニーウィンド以外の品種にも共通ですが、灌水してもすぐ乾く、鉢の底から根が出てきた、等の症状が出たら根詰まりのサインです。大き目(5号→7号位など)の鉢に移植しましょう。余裕ができて安心です。
また、葉が大きめの品種では、葉の裏側がアブラムシ類やコナジラミなど微細な害虫の住処になっていることも多いです。
数日に一度は葉裏も含めて霧吹きしたり、定期的に薬剤を噴霧するなどして、害虫を抑制するとよろしいです。
サニーウィンドも、日当たりのよい、暖かな窓際に置けば、冬の時期でも花が見られます。
〇終わりに
今回は赤と黄色の3品種について書いてみました。
8月も後半に入ると、園芸店やホームセンターのハイビスカスのセールはピークを過ぎます。ですが、鑑賞の点では、真夏よりも暑さがおさまる秋の方が、コンディションの良い花が楽しめます。
また、園芸店やホームセンターなどでは、秋の花が出始めると、売り切るために在庫のハイビスカスの価格を下げる傾向が見られます。千円前後の鉢が500円等と、割安に購入できる機会でもあります。
立秋過ぎからハイビスカス栽培に挑戦、も十分にありだと思います。

今後はオレンジやピンクや白の、育てやすい品種について書いてみたいと思います。
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