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向実庵的・お勧めのハイビスカス品種(2)

  • 執筆者の写真: 舩生 好幸
    舩生 好幸
  • 6月29日
  • 読了時間: 5分

更新日:6月30日

~印象的な品種、長持ちしている品種について投稿します~


投稿:舩生好幸(Primary-f代表、ネットショップ向実庵店主)2025.6.29


お待たせしました。最初のハイビスカス紹介の投稿から3年ほどたちましたが、ここで続編をご紹介いたします。


〇ミセスユミ

最初に咲いたミセスユミ(2020.8.7)
最初に咲いたミセスユミ(2020.8.7)

花の中心はえんじ色、その周りがピンク、さらにオレンジを経て花のふちは黄色と、色鮮やかな花色がグラデーションにより連続的に変化する品種です。アポロなど類似の花色の品種も増えていると思いますが、なかでも一番多く出回る品種であろうと思います。


私がこの品種を購入した最初は、つぼみがなかった鉢植を、ピンクの花が咲く別品種(ウィールウィンド)と勘違いして入手したことから始まりました。


花が咲いてからミセスユミと気づきましたが、この品種特有の明るい花色に魅了され、以降は複数の鉢を世話しています。


株は最盛期で高さ60cmくらい(鉢の高さを含む)まで、株の直径は50cmくらいまでになりましたが、それ以上は大きくならない感じでした。


花のサイズは12-13cm程で、一定の気温と日照量及び養水分が確保できる環境であれば、花は通年で次々に咲きます。


気温が高い夏の時期の花はピンクの領域が広くかつ色が濃くトロピカルな印象に、寒い時期に咲く花は黄色の部分が多くなり、色合いも淡く、やや清楚な印象になる点が面白いと感じます。

残暑厳しい9月20日に咲いたミセスユミ(2020)
残暑厳しい9月20日に咲いたミセスユミ(2020)
春の初め頃・3月22日に咲いたミセスユミ(2022)
春の初め頃・3月22日に咲いたミセスユミ(2022)

この品種も比較的丈夫で、あまり神経質になるような害虫や病気は思い当たりません。

ただ、ハイビスカス全般にそうですが、新芽や蕾にはアブラムシ類が付き易いので、日々のメンテナンスの際に霧吹きなどをして気をつける方が良さそうです。


また、ハイビスカスは日差しが好きな植物ですが、園芸品種の場合、近年の猛暑には案外弱いです。

私のベランダはおよそ西向きで、直射日光は午後から当たりますが、夏季のその時刻は気温が40℃超など高くなりすぎます。


本当はそのまま日光に当てたいところですが、気温が25℃~30℃近くになったら白い寒冷紗や黒い遮光シートで日差しを和らげる、30℃を超えてきたら室内に避難させる、といった運用を行い、ダメージが生じないよう気を付けています。


また、ミセスユミを挿し木で増やすことに何度か挑戦しましたが、土に直接挿しても、水栽培にしてみても、3日目くらいに弱ってしまいうまくいきませんでした。接ぎ木の方が良いのかもしれません。



〇ボレアス

ボレアス(2024.5.12)
ボレアス(2024.5.12)

白い一重咲きの品種です。

白いハイビスカスというと、やや地味に感じるかもしれませんが、暖色系の花色の品種が増えてくると白い品種の良さも感じるのではないかと思います。

白い花には一緒に咲く他の花色を引き立ててくれる効果もあります。


花は直径14-15cm程と大きめで、花弁の中心はえんじ色、白い花色には若干黄色みがあります。「マドンナ(ヒノマル)」という品種にも似ていますがボレアスの方がどこか男性的な印象です。

日照と気温、養水分などのコンディションがよければ蕾はたくさん育ち、次々に花が咲きます。


ボレアスはロングライフ品種の一つ。咲いた花は夏の時期で2-3日、寒い時期には3-4日ほどもちます。

暑さには比較的強い品種の様子ですが、寒い季節はやや苦手のようです。冬の時期は開花が半開で止まってしまうことが時々あります。

ボレアスとフレミングウィンド(2025.5.23)
ボレアスとフレミングウィンド(2025.5.23)

枝葉の成長は早い方です。株は購入して1年を過ぎる頃には1m(鉢の高さを含む)を超えそうになりました。

室内に置く場合は開花が途切れたタイミングなどで剪定をして、程よいサイズを維持するのがよいと思います。


3年ほど前、剪定した枝を使って挿し木を行ったところ根付いたのですが、途中で枯れてしまいました。挿し木は可能ですが、サマーレッドなどに較べるとやや難しい印象です。


現在(2025年6月)、再度挿し木の水栽培を行っており、根が出かかっていますのでこのままうまくいってほしいところです。



〇アドニスダブルピンク

アドニスダブルピンク(2024.5.2)
アドニスダブルピンク(2024.5.2)

ピンク色の八重咲き品種です。一見するとハイビスカスよりもボタンや芍薬のように見える花が咲きます。日照と温度などが適切であれば、通年で花が期待できます。


アドニスダブルピンクもロングライフ品種の一つ。咲いた花は夏の時期で2日位、寒い時期には3日ほどもちます。


花は直径14-15cm程と大きめ。中心の花柱(おしべ+めしべ)が一重の花のように明確な場合と、花弁のように変化する場合など、開花の都度変化します。

日照と気温、養水分などのコンディションがよければ蕾はたくさんついて次々に花が咲きます。


ボレアスやサマーレッドなどのように比較的丈夫な品種という印象ですが、ボレアスとは逆に夏の暑さにはやや弱い?印象があります。


梅雨明けから9月くらいまでの暑い時期は蕾ができても途中で落ちてしまう状況が例年続いています。(但し、暑い時期は日盛りの時間帯に室内に取り込まざるを得ないため、日照不足のせいで蕾が落ちるのかもしれません。)


アドニスダブルピンクも枝葉の成長は早い方です。枝葉を自由に伸ばすと1年程で1m(鉢の高さを含む)を超える高さに成長します。

花の咲かない時期には剪定をして、程よい株のサイズを維持するのがよいと思います。


サマーレッドのように、挿し木で増やすのは比較的容易な品種だと思います。

2024年に剪定した枝を使って挿し木を行ったところ2株が根付き、2025年にはそれぞれ花を咲かせています。

挿し木で増やした株に咲いた花の第1号(2025.2.23)
挿し木で増やした株に咲いた花の第1号(2025.2.23)

〇ハイビスカスを育てて美しい花を楽しんでください


例年4月下旬から8月頃まで、園芸店やホームセンターの園芸コーナー、スーパーの園芸コーナーでは、いろいろなハイビスカスの品種が並んでいます。


ハイビスカスは比較的丈夫で、日々の手入れもあまり難しくない植物だと思います。

日照や養分や水分、温度管理などのいくつかのポイントを押さえれば、立派で美しい花を次々と咲かせてくれます。


興味のある方はぜひトライしてみてください。

(手前左より時計回りに)ミセスユミ、ボレアス、アドニスダブルピンクx2(2022.1.28)
(手前左より時計回りに)ミセスユミ、ボレアス、アドニスダブルピンクx2(2022.1.28)

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